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函館豆知識

函館といえば、やっぱイカっしょ!!


函館といえばイカ。


これはもう否定できない事実だ。


運動会の午前の部の幕引きには、必ずといっていいほどイカ踊りが組み込まれていたし、 函館の夏を盛り上げる港祭りでのパレードでは、何万人もの市民がただひらすら「イカ」を連発しながら 街を練り歩いていく。


そんな奇妙な光景とは反して、「函館名物」と銘打つだけあってその浸透力は凄まじい。


毎朝のストレッチ感覚で行うのがラジオ体操ならば、ちょっとした行事にここぞとばかりに踊り散らすのがイカ踊り。


函館において、イカ踊りはもはや、ラジオ体操をも凌駕する市民の常識なのだ。



   イカール星人襲撃!!


当のイカも露知らず、市民の生活にまんまと根付いたイカ。

そんな中、函館市の次なる野望が大ヒットした!!


観光PRのために製作した「函館壊滅!? イカール星人襲来!!」という動画が、 角川クロスメディア主催のコンテストで大賞に輝いたのだ。


内容はこうだ。

イカの姿をした宇宙人だか何だか知らない野郎が、「イカばかり食いやがって」と函館人に襲い掛かり、 函館の街を破壊していく、といったストーリー。

仲良く市の推奨するままにイカとの共存生活を営んできた函館人だが、イカの思わぬ裏切りによってその同盟は儚く散ってしまった。イカにしても、名物にされたり、反逆者にされたりと、函館市にはほとほと愛想が尽きたことだろう。


    函館人の日常


やれ観光地だの、やれ異国情緒だの、やれ温泉だのと騒がれてる函館だが、そこに暮らしている人達はそんなこと気にとめない。 観光地として函館に憧れてる本州人が沢山いるとも聞いたが、正直なぜわざわざ函館に?と心の中で思ってしまうのは 私だけじゃないはずだ。観光シーズン、クリスマスシーズンには、赤レンガ倉庫周辺は凄まじい渋滞。 観光地ということを改めて感じさせてくれる光景だ。


観光地という輪郭ばかりが浮き彫りになっているが、実際そこに暮らす人々はどんな生活をしているのだろうか?

函館人を代表して、私が解説しよう。


まず…

函館は…

出かけるところがない!!

…いや、まじです。


私だってこんなこと言いたくないんです。

確かに函館は食に関しては、他の地域に比べ思う存分その恩恵を受けられる名地でしょう。

人間の3大欲求である「食」が満たされるのは幸せなことです、えぇ。


函館市(市長、ごめん!)に怒られることを承知でもう一度いう。

函館には出かけられるところがありません。厳密にいうとデートスポットがありません。これが真実です。


世の函館カップルは一体どうやって過ごしているのだろう。今は不況の真っ只中で、 どのカップルも節約とばかりに家に引きこもる傾向があるらしいが、この商業過疎地・函館においては、 それは計画的なことではなく、意図しないところで必然的にそうなってしまうのだ。


    函館人の三大自慢


不幸自慢とばかりに長々と地元の弱点を書き連ねてしまったが、函館人のプライドは捨てたわけではない。それは、数十万といる函館人も同様だ。


高校卒業後、札幌への就職を決め、意気揚々と札幌ライフを楽しんでいた私であったが、そこで様々な地方の人々と知り合った。 驚いたのは、函館に対してブランドイメージを持っている人ばかりだったということ。地元が「函館」というと、決まって羨ましがられ、函館という街について詳しく聞きたがった。


私はここぞとばかりに、函館には地元の人しか知らない夜景のスポットがあること(裏夜景)、

函館でしか展開されていない「ラッキーピエロ」というお店があること、函館にはイカ踊りという地元人であれば必ず踊れるダンスがあることを熱弁した。


すると、それを聞いていた友人がこう言った。


「函館人ってさ~。誰に聞いても、イカの話と裏夜景の話とラッピの話ばっか必至にするよね~!!」


住んでいた頃はあれだけ抜け出したがっていた函館だが、函館人としての誇りが健在だったことにひと安心し、 また、それと同時にほかの函館人も同様だったことにある種の連帯感を感じ、「みんな自慢することは一緒なんだなぁ」と地元への愛情をひしひしと感じた出来事だった。